死ぬまでこの作品は見られないのかもしれないと思っていた。
カンヌ映画祭での一悶着があった時に、やっぱりこの作品は呪われてるのだと思っていた。
日本で公開される日が来た。
前売り券買った。
ほとんど義務感で初日に行った。
ジャン・ロシュフォールとジョン・ハートに捧げられていた。
あの二人のドン・キホーテもきっと良かったと思うけれど、ジョナサン・プライスがドン・キホーテにぴったりの年になるまで映画の方が待っていたのかもしれないなーと、感慨深かった。
この感じ、マーティン・フリーマンがビルボを演じる年になるまで映画の方が待っていたのと同じだ。
鳥肌が立った。
と思いながら、帰りの電車でパンフレットを読んでいたらジョナサン、あんたもそう思ってたのかい(笑)。
この作品のラストシーンで思ったのは、「未来世紀ブラジル」のラストシーンを最初に見た時と同じだった。
狂ったもん勝ちなんだと(笑)。
それはテリー・ギリアムが言う「夢を諦めない」と言い換えても良いのかもしれない。
狂ったもんが連綿と受け継がれていく。ジャン・ロシュフォールからジョン・ハートへ、ジョナサン・プライスへ、そしてアダム・ドライバーへ。
テリー・ギリアムはサンチョから・ドン・キホーテになったんだな。