2019年6月10日(月)
タリン三日目(前編)
タリン・カードを事前に購入していたので、かなりお得に観光出来た。トラムもバスも乗り放題。良くある観光用カードには空港と市内の往復は含まれないというのがあるが、タリン・カードは空港から市内への移動にも使える。空港と市内が近いのでタクシーでもそれほど高くない。QRコードが付いているタリン・カードは印刷して持って行ける為、カードを受け取る必要もない。至極便利だ。
トラムの場合、運転席近くにしかQRコードを読み込めるカードリーダーがない。車内で切符を買う場合もこれで買えるのだと思う。他の乗降口にあるのはICチップカード専用のカードリーダーでカメラが付いておらず、アプリで購入できるQRチケットもやはり運転席近くのカードリーダーでしか読み込めなかった。1日目は空港からホテルに行くだけなのでタリン・カードは使わず、€1のシングルチケットを空港の券売機で購入した。タリン・カードは二日目の午後から使う事にした。二日目の午前中はホテルから歩いて行けるKGB博物館へ行くのでタリン・カードは必要ない(KGB博物館のチケットはタリン・カードには含まれない)。公共交通機関に乗った時点でカードが有効化されるので、必要最小限の有効時間のカードを購入し最大限に使う事を考えた。博物館や美術館など旧市街にある観光地は殆どがこのカードで賄える。私のような博物館好きには大変有難いカードだった。
三日目は朝から飛行艇埠頭博物館へバスで向かった。殆ど小学生の遠足並みに張り切って出かけた。
最寄りのバス停から歩いてすぐで、バルト海が目の前に広がっている。張り切り過ぎて、まだ開館してなかった。
バルト海!
ほんとに来た!
嬉しい!!!
バルト海と澄み渡る碧空
MARU号と言う名の哨戒艇?
マル号、マル丸、マルマル
バルト海に来てまで駄洒落かよ!
この船は内部も見学できる。
博物館内にはMARU Cafe もある。MARUをグーグル先生に聞いてみるとペストと出た。「黒死病カフェ」だと誰も行かないからきっと別の意味だ。グーグル先生はエストニア語が苦手らしい。
エストニア語はウラル語族で、フィンランド語やハンガリー語と近い言語らしい。ゲルマン系やラテン系の言葉だと推測できる単語が意外とあるのだが、エストニア語とフィンランド語にはまるでなかった。エストニア語の母音には「ä」の様に、点が二つ付いていたりする。まるで指輪物語だ。
これに会いたかった!
魚雷と添い寝できるベッドは起き上がると頭をぶつけるので起き上がれない。ベッドから降りる時は回転しながらしかない。なにやらミレニアム・ファルコンっぽいので嬉しくなった。
ハッチかっけー
潜望鏡かっけー
エンジンかっけー
ほぼ「かっけー」しか言ってない
辛うじてある生活感
大き過ぎて横には写真に収まらない
博物館の建物自体かっけー
面白くてくまなくジロジロ見ていた為、気が付いたら2時間以上もレンビット号の中にいた。その割に意外と写真を撮っていない。いや待てよ、十分か。殆ど「かっけー!」しか言葉を発していなかった気がする。一昨日までの暑さのせいで建物内部は気温が高かった。冷房設備はないだろうから、暑い日は外気を取り入れ換気するしかない。この日は涼しくなっていたが、建物自体が蓄熱していると外気を入れたくらいじゃ気温は下がりにくい。潜水艦内部は更に暑く、汗だくになっていた。興奮していたせいかもしれない。単に更年期障害のホットフラッシュだった可能性もあるか。
黒死病カフェで休憩するつもりだったのだが、やはり朝ごはんをガッツリ食べていてお腹が減らず。トイレに行ってミュージアムショップをちらっと覗くだけにした。
ミュージアム・ショップといえば、グラスゴーのリバーサイド博物館を思い出す。ミュージアム・ショップでは私の知らないザ・スミスの曲が流れていた。この声は確かにモリッシーだし、このギターはジョニー・マーだなーと思って店員の青年に聞いてみたら「そーだよ! この曲はなんちゃらなんちゃらのアルバムのなんちゃらなんちゃらって曲。スミス好きなの?」とちょっと意外そうに教えてくれた。キッツいグラスゴー訛りで殆どなんと言ってるのか聞き取れず、曲名は未だに不明(笑)。そのキッツいグラスウィージャンを聞いていて「あ!バラ-ティクだ! グアヴィアン・デス・ギャングそっくり!」だと気が付いた。この青年が俳優のブライアン・ヴァーネルにそっくりだったのだ。同郷だし親戚かもしれない(笑)。
Han Solo. You're a dead man.
話が逸れた。
博物館のトイレで印象的だったのは手洗い用水栓だ。蛇口に水栓もレバーもなく自動水洗かと思い手を近付けても水が出ない。あれ?と思って足元を見ると
この黒いボタンを足で踏むと水が出る。これ、プラハだっけ、こんなのどっかであったなーと思っていると、隣のおばちゃんも水が出なくて困っていた。ドヤ顔で教えたのは言うまでもない。ボタンのプレートの取付位置が微妙に平行でないのもご愛嬌。
名前の通り飛行艇の展示もあるし、他にも体験できる展示物がたくさんあって、退屈しようもない非常に充実した博物館だった。紙飛行機を作ってどれくらいの距離を真っ直ぐ飛ばせるかという体験コーナーがあった。折り方の説明も展示してあったが、違う折り方で作って飛ばしたら出来が良くて随分飛んだ。それを見た男の子が私の紙飛行機を拾いに走って行き、私に猛進してきて何やら必死に言い始めた。折り方を知りたいのだろうなと思って教えてあげると真剣な顔になった。角をきちっと揃えて折る事を教え、少年が慎重に丁寧に折って出来上がった紙飛行機は、さっき少年が折ったものより長い距離を飛んだ。