ないまぜ日記

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スコットランド旅行記 その8

「番外編 ロンドン」

エディンバラ空港から午前中の便でヒースローには順調に定刻通り、お昼には着陸しました。ホテルはグロースターロード駅の近くに取ったので、空港からはピカデリー線で行けるし、市内の移動にも何かと便利だと思って予約していました。空港から地下鉄の駅を利用するのは15年振りでターミナル5から地下鉄に乗るのは初めてでした。オイスターカードのトップアップが出来る自販機も分かりやすい所にあるし、かなり歩かされるのはバカでかいヒースローだから仕方ないけど、利用者の事を意外と考えてるんだなと思いました。スーツケースもそれほど待たずに出てきたし、順調に地下鉄の駅まで向かいました。しかしピカデリー線が遅延しておりました。それもとんでもなく。

私が到着した時はホームで待っている人は大して多くなくて、こりゃ座って行けるなと安心しました。しかしここでアナウンス。信号の故障か何かで運行停止しているとかなんとか言ってるようでした。げーっ。ま、こんな事はロンドンの地下鉄では日常なのですが、空港駅にはベンチとか殆どないのです。ずーっと立ってなきゃいけなかった。実際に電車が到着するまで何度かアナウンスがありましたが、最初のアナウンスから20分くらいして「あと5分くらいで到着します。」というので、意外と早かったなと思っていました。しかし電車はまるで来ず。それから15分くらい経って「アクトンタウン駅で離合する電車を待っていますので云々かんぬん。」

1時間くらい待ってようやく来た電車はアクトンタウンまでしか行かない上に、駅に停まる度に「信号待ちです、しばらくお待ちください。」のアナウンスでした。遂にアクトンタウンに辿り着き、乗り換えてグロースターロード駅までなんとか辿り着きました。ヒースローに着陸してスーツケースをピックアップして20分くらいで地下鉄の駅に着いたので、早い!国内線だと早い!と喜んだのは間違いだった(笑)。結局、空港からグロースターロード駅まで2時間半も掛かってしまった。こんな事ならパディントンまで電車で行けば良かったな。ヒースローエキスプレスは高いけど、少し時間はかかるけどその分お安いローカル線でも良かった。事実、地下鉄が遅延しているのを見てさっさと別の交通手段に切り換える人がとても多かったのです。

ロンドンの地下鉄の駅はリフトのない所が多くて、ピカデリー線のような地下深い路線は途中にちょっとリフトがあるけど、あとは階段とか、改札まではエスカレーターがあるけど途中の連絡通路は階段とか、スーツケースを持っているとかなり大変です。この日は総重量15kgのスーツケースだったので、そこまで苦労せずに持って上がれましたが、非力な女性だと辛いだろうな。そう考えるとパディントン駅に歩いて行けるホテルがやっぱり便利だと実感したわけですが、パディントン駅周辺のホテルは篦棒に高い。安いシングルルームは地下が多いし、部屋はほぼベッドで埋め尽くされて、スーツケースを広げるスペースがないとかそんなレベルではないホテルも多いです。私はあまりホテルで快適に過ごしたいとか良い景色の部屋じゃないと嫌とか、そんなのまるでなくて、寝るだけだから便利なのが一番!と思っています。リゾート地でホテルの部屋でゆったり過ごしたいなんて時はそりゃ広いに越した事はありませんが、リゾート地でゆっくりなんて旅をした事ない・・・。そういえば、エディンバラでアパートを借りたので初めて広々とした部屋でゆっくりと過ごせたわけです。とはいえ、広いと最後の掃除が大変だったんだな。

とりあえず、ホテルにチェックインしてスーツケースを置いて、5分くらいベッドに横になってから出かけました。足がだるくてもうちょっと横になりたかったのですが、何しろこの日は旨くいけば1時過ぎにはホテルに着いていたはずでした。なのに、もう3時近い。天気も良くない。グロースターロード駅の前にあったレバノン・レストランに入って、チキンロールと紅茶でランチにしました。懐かしい。ホマスが付いてきた。中東料理を懐かしいと思う日が来るとは、子供の頃は想像すらした事がありませんでした。人生、何が起きるか分かりません。
レストランには中東系の食材も置いてあって、ローズウォーターもありました。お惣菜がずらりと並んでいて、と言うことはお菓子もあるね!と気が付いてキョロキョロしていたら、あったよ、あった!バクラバあったよー。でも高い。すごい。びっくりした。ピスタチオがぎっしり詰まったバクラバは妹の大好物で、お土産に少し買って帰ることにしました。

さて、グロースターロード駅からハマースミスで乗り換えてゴールドホークロード駅までやって来ました。駅のすぐ前にある布屋さんへ行きたかったのです。このお店、10年くらい前に偶然に見つけて以来、ロンドンへ来ると必ず行きます。リバティ・プリントが激安で売っているのです。良いの?ってか、これ偽物じゃね?と言う金額で売っています。難ありの生地は本当に安いです。どこが難ありなのかよく分からないのですけどね。

お店に入ってみると、そこは数年前とまるで変わらず。いつもお店の隅で座っていた90歳超えてる感じのばあちゃんもいた。いくらなんでももういないと思ってたばあちゃん。失礼しました。元気そうで何より。以前はリバティ・プリントは3mに予めカットして透明の袋に入れてイケアのショッピングバッグにどっさり入れて床にどーんと置いてありました。£20/3m という破格でした。嘘みたいな金額でした。しかし、今ではリバティ・プリントは2階の倉庫兼売場に置いてあり、予めカットはせず必要な分をカットしてもらうようになっていました。£13.50/m だったり£9.50/mだったりと布によって値段が違いました。それでも定価よりも随分と安い。

散々に迷って5種類にまで絞り込み、財布と相談して最終的には3mx3種類を購入。最初にクレジットカードで払えるか?と聞いてみたら、おぢさんは良いよと言うのでホッとしたのでした。現金20ポンドくらいしか持ってないからね。カードダメと言われたら、近所のATMに行かなきゃならなかったよ。それが払う段階になって、多分オーナーのおばちゃんと思いますが、あの死んでるかと思っていたばあちゃんの娘さんか義理の娘さんか、そのおばちゃんが「冗談じゃないわよ、現金に決まってるでしょー。現金よ現金!」と言うので、現金持ってないしカードで払えるってあの人言ったよ!とゴリ押しでカードで払いました。ゴリ押しの技術はドバイで身に付けましたが、日本で使う事はまずない。どっと疲れましたが収穫は大きい。あとはこれを誰かに洋服に仕立ててもらわないといけない。それとも自分で作るか。鋏を入れるのに勇気が必要なので出来れば誰かに作って欲しいけど。ホーチミンの仕立屋さんは安くて早かったな。ホテルまで届けてくれたし。ホーチミン行くか! 旅行中に次にどこへ行くかを考えているのは贅沢な事ですな。ロンドンのこの辺りはあまり柄が良くないので、日も暮れたしとっととホテルに戻りました。そういえばいつの間にかサークル線は環状線ではなくなってましたが、2009年からなんですなー。気がつかなかった。

実はこの日、コインランドリーへ行くつもりでした。布を買いに行ってもコインランドリーの営業時間には十分間に合う時間にホテルへ戻れるはずでした。それがピカデリー線の大幅な遅延のせいで予定が狂ってしまった。今日洗濯できたら帰国した後で殆ど洗濯しなくてすんだのに残念。間に合わないものは仕方ないのでホテルへ戻って、翌日の着替えを出したり、荷物を大まかにスーツケースに詰め込んで、なんとかサブバッグは使わずに済みそうだと安心したりしてるうちにお腹が空いてきた。ホテルの近所にタイレストランを見つけたので入ってみたところ小洒落てる。しまった。エディンバラインドカレーと同じ失敗したのか。美味しかったから正確には失敗ではないのですが、安くすませるつもりが意外と高かったので。節約のつもりでタイカレー食べようと思ったら意外とこれまた高かった。でも、グリーンカレーはすこぶる美味しかったです。ココナッツクリームがタップリのコクのあるグリーンカレーでした。御馳走さまでした。ホテルに戻ってお湯にしっかり浸かってこの日も早めに休みました。

さて帰国する日。
元気だったらレイトン・ハウスとデザイン・ミュージアムに行くつもりでした。しかし疲れがあまり取れてなかった。この日は10時過ぎまで寝てしまい、朝ごはんを食べて洗面道具や寝間着など残りの荷物をスーツケースに全て詰め込んだら、もうチェックアウトの時間でした。チェックアウトしてそのまま荷物をホテルで預かってもらいグロースターロード駅の前からバスでレイトン・ハウスへ向かいました。

デザイン・ミュージアムのバス停があって、レイトン・ハウスはバス停から歩いて5分くらいでした。憧れのレイトン・ハウスです。レイトン卿の邸宅が博物館として運営されています。ワークショップやギャラリーとしても使われていて、私が行った時期のエキシビションはテキスタイルデザイナーの作品が展示されていました。名前が難しくて読めなかった。

アラブ趣味というとバイロンを思い出しますが、レイトン卿のは筋金入り。ロンドンのお屋敷の中に噴水作るとかどうかしてるでしょ。部屋の中に噴水作って良いのは気温の高い乾燥した地域です。雨の多いイングランドで部屋の中に噴水って・・・。カビを培養するつもりですか。このアラブ・ホールこそ「未来世紀ブラジル」にラウリー夫人が美容整形を受ける手術室として登場するのです。あのどうかしちゃってる夫人と医者が、このどうかしちゃってる部屋にいたのです。もう思い出して可笑しくて可笑しくて。手術室にここを使いたいと思ったのは誰なのかなぁ。ロケーションとして良く利用されているようなのですが、確か「spooks」にも登場したはずですが、どんなシーンか皆目思い出せない。

フレデリック・レイトンはお金持ちのボンボンで、自分の好きなものでお屋敷を飾る事については特別なことでもなんでもなかったんだろうなーと思っていたのです。しかし寝室を見た時に実はとても驚きました。寝室は簡素な小さいベッドが置かれているだけで、装飾などまるでなし。寝室以外の絢爛豪華な部屋との落差が大きくて、使用人の部屋なのかと思ったくらいでした。広い邸宅に寝室は一つだけというのも珍しい。一生独身で、客をもてなすことはあっても決して泊めなかったわけです。公にする部屋は豪華に飾ってありますが、自分だけが使う部屋は貧乏くさいほど簡素。美しいものに囲まれてないと死んでしまう!お耽美な人だとばかり思っていたので本当に驚きました。豪華な部屋は公にする、演出する為で、眠る時は豪華なものなど必要のない質素な人だったのですねぇ。面白いなぁ。ビクトリア時代の華やかな表舞台の人の舞台裏を見た気がしました。本音と建前、公と私、厳密に区別されていたのです。深い闇がありそうな気配がしました。どうかしちゃってる感じがするのも当然だ。

この博物館は写真が撮れないのが残念で仕方ありませんでした。
悔しいので看板を撮ってきた。

レイトン・ハウスの窓ガラスに日が射して、換気扇がゆっくり回転している影がカーテンに映っていました。リドリー・スコットの映像みたいだった。

かなりゆっくりし過ぎて気がつくともう3時近くでした。デザイン・ミュージアムには行ったもののミュージアムショップを覗くだけというかセコイ事をしてホテルまで戻りました。

ミュージアムショップで金継ぎセットを発見。ショップの店員さんに写真撮っていい?と確認して撮って来ました。さすが、デザイン・ミュージアム。素敵なものを売ってらっしゃる! 店員さんもセットを使って金継ぎした事があるそうで、これぞ日本的なものだわと絶賛。そーよー、これは日本にしかないね。

帰りもまた地下鉄が遅れたら嫌なのでかなり時間に余裕を持って空港へ向かいたかったのです。ホテルに戻ってスーツケースを受け取りピカデリー線で空港まで向かいました。遅延のちの字もなく全く順調にヒースローに到着してしまった。早い。30分で着いた。なんだよ、ここを2時間もかかったのか・・・。仕方ないけど、遅延に振り回された旅でした。

空港でシャワーを浴びてスッキリしたらちょっと元気が出たので免税店を冷やかしながらゲートが決まるまでウロウロ。結局、空港では殆ど何も買わず。DVDショップがあったと思ったのですが、見つけられなかった。イギリスに来てDVDやCDを1枚も買わなかったのは初めてでした。オックスフォード・ストリートのHMVが品揃えが最高で必ず行ってましたが、今回はそんな時間がなくて、空港で買えばいいや!と思っていたのです。DVDショップがなくなってるとは思わなかった。今時はオンデマンドで見るので、DVDは売れなくなったのでしょうか。

毎日、時間がないない!と思っていたようでした。欲張り過ぎると疲れてしまうのに、行きたい所が多過ぎて、いつも旅行中は焦ってしまいます。旅はあっという間に終わってしまいました。帰りのフライトは遅れもせず、定刻に羽田に到着しました。

あーあ、帰って来てしまった。