ないまぜ日記

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エストニア紀行: 森の苔・庭の木漏れ日・海の葦

hobbitonさんに勧められた「エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦」を読了。楽しくてあっという間に読んでしまった。旅の共にしようと思って文庫本にしたのだが、もう読んでしまったよ。持って行くけど。

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面白い本は早く先が読みたくて頁を捲るのが早くなっていくのだが、この本は正にそんな本だった。梨木香歩さんの本は一冊も読んだことがなかったのだが、この人の書く文章は私にはとても読みやすく頭にすっと入ってくる。苦手な人の言葉だとまるで頭に入っていかない。苦手な文章は脳が入力拒否する仕組みになっているらしい。

東京砂漠の通勤電車の中はまさに人間観察として絶好の場所である。痩せこけて鶏ガラみたいな肩をした若い男性が口を大きく開けて、座席の端に座って、というかずり落ちそうになって爆睡しているのを見ると、この人は一体どういう暮らしをしているのかと想像してしまう。つい、顔を見ただけでその人の背景を想像してしまう。名前はなんだろうと予想したくなる。

そんな事が好きな私には梨木さんの紀行文はうってつけだった。ホテルの部屋に飾られた絵の女性に名前を付けたり、あー、私もそういうの勝手にするなー。近所の猫とか犬とか勝手に名前を付けるし。人の場合は名前というより渾名に近い小意地の悪いのもある。

エストニアに興味を持ったのは多分、中学生の頃だ。社会科の参考書だった世界地図を見るのが好きだった。特にヨーロッパ大陸の地図が好きだった。アンドラルクセンブルクリヒテンシュタインなど、まるで知らない小さな国があるのを見て想像を巡らせていた。旧ソ連の構成国はグルジア(今はジョージアと呼ぶことになった。グルジア出身のスターリンがこれを知ったらなんと言うのか?)、アゼルバイジャンなど、聞き慣れない国の名前に興味津々だった。バルト三国という言葉を知ったのもその頃だ。バルト海の海水が塩っぱくないなんて、この本を読まなかったら知る事はなかったと思う。

以来40年近く経って遂にバルト海を目指す事になった。
40年か。
果てしなく遠い道のり。