ないまぜ日記

映画、海外ドラマ、音楽、その他諸々、ないまぜ日記

疲労感

二月末に従兄弟が急死した。
四つ年下だった。

この従兄弟は私と同じ業界で仕事をしていた。それを知った従兄弟の奥さんから「本当にあんなに残業してるの?」と聞かれた事があった。「本当に仕事してるんだよ。この業界、ブラックどころの騒ぎじゃないから。過労死ラインとかね、そんなの毎月過労死しなきゃいけないから!」と返事をすると従兄弟も「そうそう」と笑っていた。

本当は笑いどころの話ではなかった。私も死にそうになるほど働いていた。どうやってうちに帰ったか記憶にないほど疲れたりしていた。今思うと、私も棺桶に片足突っ込んでいたと思う。業界の体質というか、システムが、残業しないと仕事が終わらない日程で仕事をしている。最近は随分と変わったと思うのだが、所詮それは大手だけだ。

従兄弟は数年前に勤務先を辞めて独立し、共同経営者と二人で仕事をしていたらしい。独立して経営者になると益々、過労死ラインの残業がどうこう言ってられなかったと思う。実際、去年の年末から2月にかけて徹夜が続いていたらしい。疲れた疲れたと奥さんに言っていたらしい。そして心筋梗塞で急死した。

叔父からのメッセージを読んでも、一瞬何がなんだか分からなかった。何度読んでも従兄弟が死んだと書いてある。叔父に電話したところでなんと言えば良いのか分からず母に電話した。しかし母も詳しい事情は何も知らず、葬儀の日程だけ教えてもらい急いで飛行機のチケットを予約した。

葬儀に出て火葬場で骨を拾い、なんとか日帰りで東京へ戻ったのだが、いつも最寄り駅から自宅まで10分くらいで歩く距離を、その日は20分くらいかかっていたようだ。兎に角、体が重くて動かなかった。数日は体が重くて何をするにも億劫だった。

今までに感じた事のない疲労感がある。なんだろう、この疲労感は。自分もいつかは死ぬと分かっていたが、首根っこを押さえ付けられて追い打ちをかけて思い知らされた気がする。ここ数年いつ死ぬか分からないから、やりたい事はさっさとやってしまおうと思っていた。従兄弟の真っ青な死顔を見て、本当にそう思った。従兄弟の死顔は祖父の死顔と良く似ていた。