ないまぜ日記

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スコットランド旅行記 その4

「ドゥーン編」

スコットランドへ行くなら必ず行きたかったのがドゥーン城。ここへ行きたいからスコットランドへ行きたかったというのが正しいかも。それくらい行きたかった所です。「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」の撮影地としてパイソン・ファンにはお馴染みのお城です。最近は海外ドラマ「アウトランダー」や「ゲーム・オブ・スローンズ」の撮影地としての方が有名になったのかもしれません。豆さんが「冬が来てしまう!」と焦ってた所でございますね。

行きたいと思った城ですが、どう考えてもど田舎にある。まずは交通手段を調べる必要がありました。すると、意外にも公共交通機関だけで城まで行けそうではないか。ドゥーン城はスターリング郊外にあるのですが、スターリング駅から30分バスに乗れば、ドゥーン村のバス停から城までは歩いて10分程の距離でした。ティース川と支流に囲まれたちょっと小高い丘にある城で、日本なら平城と言って良いのではないでしょうか。坂道も階段もなし。あな嬉しや。膝に優しい城が好き。

最近はグーグルマップ先生が益々進化して、スコットランドの田舎の村だろうと目的地までの経路検索で路線バスもちゃんと検索できました。すげー。路線バスの運行会社へのリンクも載せてあるので、時刻表など調べる時間が短くなって本当に助かります。エディンバラ発着の日帰りツアーでドゥーン城へも行けるものがあるのですが、盛りだくさん過ぎてドゥーン城に滞在できる時間は1時間あるのか?といった内容でした。スターリング城など見所満載ですが、ここはやはり自力で行く事に!

スコットランドへ行く日程が決まった直後は11月25日の日曜日にドゥーンへ行くつもりでした。というのもグーグルマップ先生で経路検索した時には、まだいつ行くかはっきりと決めておらず日付も適当だったので平日の時刻表でした。バスは1時間に1本あるな!と思っていたところ、路線バスの公式サイトで時刻表を調べたら土日は本数ががくっと少なくなるのに気が付きました。あぶねー。そういうわけで25日の日曜日はグラスゴー、ドゥーン城へは26日の月曜日に行くことにしたわけです。日曜日は日曜日でグラスゴーではパレードがあったので、渋滞やら運行停止などで予定は玉砕したわけですがね・・・。

この車窓の風景には石丸謙二郎さんのナレーションが必要だ。
森には靄がかかって羊が草を食んで、のんびりしてるなー。和むねー。
こんな風景画、どっかで見た事なかったっけか?

動画の埋込が出来るようになった(笑)。


25日に引き続き、26日もヘイマーケット駅から出発します。08:09発ダンブレーン行きのスコットレイルに乗り、途中のスターリング駅まで乗りました。ダンブレーン往きは2時間に1本しかなくて、駅からバスへの乗継時間やドゥーン城の営業時間を考えると選択肢が全然なかった。それでも往きは電車とバスの乗継が30分ほどあったので、多少遅れても心配はないかと思っていたのですが、帰りのバスは乗継時間が6分しかなかったのです。さー大変。

往きのスコットレイルは定刻通りにスターリング駅に到着しました。雨もパラパラと降るくらいで本降りにはならない様子。路線バスまでの時間は駅で待ってバス停へ10分前に向かいました。5分前にフライングされた事を根に持っています。定刻通りにバスが来たのでホッとしつつ、強力なスコットランド訛りの運転手さんに手古摺りつつ、無事にドゥーン村までの往復券を購入。バスは外の景色が見えないくらいガラス窓が汚れていました。酷い(笑)。でも暖房も効いてて快適です。外は見えないけど。時々グーグルマップ先生で現在位置を確認しつつ、25分くらいが過ぎた頃でした。なんか、ドゥーン村と全然違う方に川を渡ったんだけど、あれ、大丈夫か?と心配しました。しかし、点在する村の人を拾う為なのでしょう、バス停のある広場をぐるりと回って元来た方向へ向かって行きました。良かった、ドゥーン村はすっ飛ばされたかと思ったぞ。

ドゥーン村のバス停で降りて、まずはグーグルマップ先生で現在位置確認して城へ向かいます。5分くらい歩いた所で見晴らしの良い所に出ると、丘の上にドゥーン城が見えた。あったー。あれだー。キャメロット! 馬鹿が移るから行くのやめようとかは思いませんでした。ここにやって来る時点で既に馬鹿だしー。おーっほっほっ。と、ニヤケつつも、最短距離で行こうとして城を目指して歩いていたら、道がなくなった。え? こっからは行けないのか?とキョロキョロしていたら、ちょっと離れた所からおぢさんが話しかけてくれた。ドゥーン城へ行きたい!と叫んだら、そこにゲートがあるだろ?そこを抜けて真っ直ぐ歩いたら城に着く!とスコットランド訛りで答えてくれました。ありがとう、おぢさん。ここってフットパスだったんだ。近道だよねー。ラッキーと思って歩いて行ったのですが、足元が悪いっていうか、危ないって言うか。その敷地と道路とは藪で隔てられていて、枯葉が積もった急な坂を降りねばならず、ズリズリ滑り落ちるように道路へ降りる事になって危うく滑って泥だらけになりそうでした。無事に着いたから良いけど、帰りはちゃんと道路を通ってバス停に行きました。フットパスを通ってもあんまり近道ではなかったのが分かったし(笑)。

ようやくドゥーン城に到着です。我ながら前置きが長い。

楽しかったです。いや、ほんとに。あの城壁はココナッツのシーンだ!とか、ここでスパムをいっぱい食べると歌ってる所だとか、拷問されてる囚人が手拍子してる所だ、とかとかとか。ニヤニヤしっぱなし。ランスロットが殺戮を繰り広げる階段を見た時は、思わず「はーはー」とエアー剣を振りかざしたくなりました。つか、レセプションのおぢさんと話した時にやったか。もうやっちまってた。このおぢさんはとても良い人で、切符切りのお姉さんも良い人だったし、スコットランドにはどこへ行っても基本的に良い人が多かった気がします。謎の東洋人にも強烈なスコットランド訛りで気さくに話しかけてくれました。あ、そういえば、レセプションのおぢさんは全然スコットランド訛りではなかったな。学校の先生みたいなインテリな雰囲気のおぢさんでした。音声ガイドを借りるのを思わず忘れそうになりましたが、テリー・ジョーンズがナレーションをしているので借りないわけにいかない。音楽は勿論、あれですよ。


歌い踊る騎士達が目に浮かぶ!


ここはあの気持ち悪い王子の部屋かな?
あの王子が姫じゃなくても、あんなに気持ち悪くなかったらランスロットは助けたかもしれない


飾ってある花にまで剣を振るうランスロットが駆け上ったであろう螺旋階段
こんなに狭いのに良く撮影したな

テリー・ジョーンズはチョーサーの研究論文を書くような人ですから、映画の時代考証は完璧で、ドゥーン城の解説もお手の物。初代オルバニー公爵の事とか19世紀に改築された事やら、硬軟取り混ぜて解説してくれました。「ホーリー・グレイル」撮影時のエピソードがあるのかと思いましたが、それよりも城の歴史的な解説の方が断然多いので、パイソン・ファンとしてはちょっと残念だったかなと。来訪者はパイソン・ファンだけではないので当然の事なのですが。ふざけてばかりいたら真面目な歴史好きだと怒り出す人もいるかもしれないしね。

一番残念だったのは城が大規模な改修工事中だったので立ち入り禁止が多かった事でした。ジョン・クリーズ演じるインチキフランス野郎がアーサー王を罵倒する城壁は、足場が組まれていて写真が撮れなかったのです。コートヤードも立ち入り禁止になっていました。「ゲーム・オブ・スローンズ」の撮影地になったおかげで修復費用が集まったのだろうか。もしかして製作費から出てるとか? 修復費用に微力ながら協力したいと思い、売店で黒騎士のTシャツを買いました。こんなのかすり傷だ!と言うセリフ入り。嬉しい。これ欲しかったのさー。ほんとに行って良かった。

目一杯切り上げて2時間ほどウロウロしてバス停へ向かいました。もっと滞在したかったのですが、バスの時間と電車の時間の都合で仕方なかったのでした。雨が強くなってきたので、舗装された道路でないと大変です。グーグルマップ先生で検索した時にこの辺りにカフェがあると思っていた所に良い感じのカフェがありました。平日だと言うのにランチのお客さんで店内は満席。私が入った後、15分くらいの間に続々とお客さんが来たのです。キッシュとサラダのランチセットを頼んでみましたが、手作りのキッシュが意外にもとても美味かった。カプチーノも普通に美味い。なんか全然期待してなかったんだけど、ご馳走様でした。

バスの時間まであと15分くらいにカフェを出ると、カフェの数件先に郵便局がありました。イギリスの郵便局は日本よりも全然早く民営化されて、郵便局だけどコンビニみたいになんでも売ってる所がありまして、ここもやはりそんな感じでした。郵便局長なのかな、おぢさんと言うよりじいちゃんがとても気さくな人で、ドゥーン城の絵葉書を色々と見ていたら話しかけてくれました。ドゥーン城を見に行ったと話したら、「TVドラマのファンなのかい?」と言うので、「アウトランダーゲーム・オブ・スローンズは見たけど、モンティ・パイソンのファンだから来た!」と言うと「おおおお。そりゃ良い。」とご機嫌。私が日本人だと分かると意外そうな顔でした。日本人は話しかけると逃げてしまうらしい。「あんた日本人にしちゃ英語うまいね。」と褒められて私もご機嫌で「モンティ・パイソンで英語を覚えたから。特に悪い言葉をね。」と言ったところでじいちゃん大笑い。ありがとう、冗談で笑ってくれるのが一番嬉しいよ。

郵便局にはじいちゃんご自慢の「ホーリー・グレイル」のフィギュアが陳列棚の最上段に飾られていました。「あれってコレクターズアイテムだよね? すんげ高いやつじゃん!」と言ったら、「でも定価で売ってるんだよ。あのフィギュアをオークションサイトで見たらとんでもない金額だったなー。」と大笑いしていた。太っ腹だなー、じいちゃん。付加価値付けたぼったくり価格で売れば良いのに。買う人いるよ。でも商売っ気がないらしい。

じいちゃんと話し込んでいたらバスに乗り遅れそうになったので急いでバス停へ向かいました。しかしバス停が・・・、朝降りた時のバス停しかない・・・。朝バスを降りた時に帰りのバス停を確認するの忘れてた。普通は反対車線にバス停あるよねと思って少し先まで行って探してみましたがない。仕方ないので一つしかないバス停に戻ってみました。するとじいちゃんが一人いた。時刻表を見てもどうもはっきりしないし、参ったなーと思っていたらじいちゃんが話しかけて来た。そのじいちゃん、さっきのカフェでランチ食べてた!

村のバス停はここだけで、今度来るバスはここで乗客を乗せて少し先でUターンしてまたここを通って行くんだ、と身振り手振りで教えてくれました。全然なんて言ってるか聞き取れなかったのです。グラスゴー訛りとかそんなの遥かに凌駕した訛り。多分、前歯が少なくなってるせいもあるけど、本当になんて言ってるか分からず、適当にうなづくしかなかった訳ですが、スターリング駅へ行きますよね?としつこく聞いたら「ぃぇー」とボソボソ言うのが聞き取れました。大丈夫だ、このじいちゃんと一緒に乗っていけばスターリング駅には行けるはず。しかし、バスが遅れているのです。電車の乗継時間は6分しかないのに既に10分近く遅れていました。電車には乗り遅れる事をここで覚悟しました。駅の近くにはショッピングセンターみたいなのもあったし時間は潰せるでしょうが、そんな事ならドゥーン城にもうちょっといたかったなとか、セコいことを考えてしまう訳です。

この日は、スターリング城にも行こうかどうしようかかなり考えました。明日はエディンバラで博物館に行きたいし、毛糸屋さんにも行きたいし、とにかく時間が足りない。明日は終日エディンバラでウロウロする予定なのですが、今日のうちにスコットランド国立美術館だけでも行けたら明日は余裕ができる!と考えていたのです。その為、スターリング 13:07発に乗りたかったのです。結局バスは10分遅れでドゥーン村のバス停に到着したのですっかり乗り遅れると諦めていたのですが、バス停がしばらくない一本道で運転手さんが飛ばす飛ばす。5分くらい遅れを取り戻してる。えー、もしかして間に合ったりするかー?

スターリング駅のバス停に着いた時、私の時計は13:05でした。バスを降りる前に電車の切符を握りしめ、駅まで走り、改札を抜けプラットホームが反対側だったので階段を駆け上がって通路を走り駆け下りたら、なんと!間に合ってしまった。最後の1人が車両に乗り込むところにゼーゼー言いながら間に合った。ウヘーー疲れた。息は上がるし足は攣りそうだし、こんなに走ったの何年振りだろうか。飛行機に乗り遅れそうで空港職員に「走ってください!」と言われて以来だよ、確か・・・。兎に角!間に合って良かった。