ないまぜ日記

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祖父の足跡 到着編

昔、母方の祖父が黒い毛皮の帽子を被っていたのを思い出した。中央アジアの某国への機内でその毛皮の帽子を被っている人を数人見かけ、空港へ到着するとあちこちで見かけた。祖父の収容所があったのは私が訪れた国の隣国だったらしいのだが、あの帽子は旧ソ連の影響もあったのだろうか、中央アジアの国では良く見かけるようである。

事前に現地の天気予報を見ると最高気温が15℃前後、最低気温が0℃前後であった。すっかり安心していたのだが出発の3日前くらいにまた天気予報を確認すると、私の到着前日から予報の気温がまるで違った。最高気温は0℃以下、最低気温がマイナス15℃となっている日もあった。連日の真冬日なのである。気温が一気に20℃くらい下がっていた。到着してから現地のガイドさんに尋ねると、この気温は12月下旬の気温で11月なのにこれほど雪が降るのは久し振りだと言われた。私が寒波をもたらしたのか(笑)。

成田から仁川で乗り継いだのだが、仁川からの機体は古く座席の間隔もかなり狭かった上に座席にモニターもない。無論、電源ソケットやUSBポートなどあるはずもない。トイレの洗面台の水が流れなかったり、これで8時間の長時間フライトは正直かなりしんどかった。座席にモニターがないのは事前に分かっていたので、レンタル動画をiPhoneに保存して、それを見ながらなんとかやり過ごしたのだが意外にも席は殆ど満席だった。アジア水泳選手権に出場したらしいジャージを来た若者が乗っていて、成田からその関係者御一同が大量に乗り込んでいたようなのだ。実に賑やかというか社会性の欠如した団体であった。シートベルトサインが点灯しても機体が動き出してもまだ立ち上がってウロウロしたり、友達の席へ遊びに行って戻ってこなかったり、トイレに行こうとしたり、離陸して機体が上昇中でも立ち上がって収納棚を開けてしまいアテンダントに注意される人までいて、実にカオスだった。こういう状態はインド人で慣れていたのだが(笑)、久しぶりだったので免疫が多少落ちていたらしい。何しろ、韓国系の航空会社のアテンダントはハングルで注意する。機内の乗客の何%がハングルを理解できたのだろう。せめて英語で言ってくれとも思うが、彼らには英語も通じない。

中央アジアの某国国際空港は軍事施設になるので撮影禁止だった為、写真が撮れなかった。世界のワースト空港の常連として有名な空港だ。今回、私は旅行会社を通じてガイドと運転手付きのツアーを申し込んでいたのだが、もし自力で空港から脱出しなければならなかったとしたら、恐らく2時間は掛かったと思われる。着陸後、ボーディングブリッジに接続される前、まだ機体が動いているのに皆立ち上がって荷物を出そうと焦っていた。アテンダントに座れと促されても全く動じず。なぜこんなに焦るのかと思ったのだが、それは後で分かった。乗客が機体から降りるとかなりの人が走り出した。国内線の乗継時間か電車の時間でも迫っているのかと思ったのだが、入国手続きを早く終わらせる為に我先にと走り出したのだった。何しろ、パスポートコントロールの窓口は列など何もなく、ただ人が鮨詰状態でぎゅーぎゅーに立っていた。私以外にも日本人が数人いて、私達の名前のボードを持ったやる気のない空港職員から「着いて来い」と言われ、その鮨詰状態の部屋に入っていくと、また別の空港職員がいてまたもや「着いて来い」と言われたのだ。壁際から50cmくらいの位置にパーテーションポールがいくつか置かれていて、その僅かな隙間を空港職員の後を進んでいった。パーテーションの向こう側と言っても壁があるわけではない。ただポールを置いてあるのみだ。ポールにスーツケースをぶつけながら、ポールからはみ出してくる人にぶつかりながら、その鮨詰の人々から「どうしてお前らはさっさと前に進めるのか?」という怪訝な怒りに満ちた表情を向けられても、私にはどうなっているのか良く分からなかった。結局、空港職員に先導された日本人4人は全く待たずにパスポートコントロールを通過できた。

手際が悪いと評判の空港なので荷物は機内持ち込みにしていた為、さっさと税関手続きに向かった。この税関手続きは書類が面倒臭い。所持金は硬貨まで申告する必要があり、貴金属類や携帯電話等の電化製品も高額な物は申告する必要があった。iPhoneを税関手続きで申告したのは初めてだ。同じ書類を2枚書き(複写式ではない為、手書きで同じ書類を作らなければならない)1枚は税関へ提出、1枚はスタンプを押してもらい受取った。出国の際にはまた同じ書類を作成して提出だ。つまり、入国の際のスタンプが押された書類と、滞在中に使って減額した所持金を申告する為の書類をもう1枚提出しなければならなかった。実に面倒臭い。

そこでようやく空港の屋外へと脱出できた。狭い座席の長時間フライトで疲労困憊。機内食も着陸直前はブリトーのみで小腹が空いた状態だったが、空港は暖房が効いて暑いくらいだったので汗をかいていた。そこへマイナス8℃の屋外へ放り出された。汗が冷えて寒い。それでも車に乗ってしまえば暖房は効いていた。ホテルの部屋もやはり暑いくらいに暖房が効いていた。効き過ぎて暑いのでしばらく暖房を切ったくらいだった。寒い国は暖房が効きすぎて暑い!のは中央アジアでも同じなのだなと思った。しかし!翌日には、これが大きな間違いだと気が付く事になる!