ないまぜ日記

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Mr.ホームズ 名探偵最後の事件

これを見逃すわけにはいきませんでした。イアン・マッケラン主演、ビル・コンドン監督、音楽はカーター・バーウェル。「ゴッズ・アンド・モンスターズ」と対を成す作品のような気がしました。どちらの作品も、予期せぬ歓迎できない瞬間に亡霊のように脳裏をよぎる記憶と格闘する物語とでも言いましょうか。

ここ数年、5秒前に考えた事を「あれ、なんだっけ?」と思い出せない時があります。大抵はスマホで何かを検索しようと思い付き手に取るのですが、その思い付きを検索する前にメールをチェックしてしまい、いざ検索しようとするとそれが何だったのかを思い出せない。思い出せないとゾッとします(笑)。後で思い出すことも多いのですが、これって短期記憶障害というのかと・・・。恐ろしいわー。

「Mr.ホームズ」でのホームズは認知症が進んでいて、記憶障害に悩まされています。老いに抵抗する為、自前のローヤルゼリーを摂取していたのですが、日本の山椒が効くと信じて遥々と終戦直後の極東へ探しに行くくらい必死です。しかし、山椒を食べたところで劇的に効果があるわけもなく、探偵稼業を廃業する原因になった事件を断片的にしか思い出せない。山椒が漢方薬として老化防止に効果があるなんてまるで知りませんでした。最後の事件を解決する事で、自尊心を取り戻したい!ホームズの心の内をサー・イアンが演じています。記憶に心を乱されるというのはビル・コンドンのテーマなのでしょうか。嫌な記憶ほど思い出したくない時に限って蘇ってくるものですけどねぇ。

大好きなローラ・リニーは相変わらず巧い。やはりこの人、好きだわ。過去の亡霊のようなケルモット夫人を演じるハティ・モラハンがまた良いのです。絶望している人間の消え入りそうな佇まいが滲み出ています。ホームズの最大の欠点は女心が分からないという事なのでしょうが、これは原作者のアーサー・コナン・ドイルのせいだと思います(笑)。サー・アーサーはとてもマッチョな思考回路の持ち主で女心とは無縁の人だと思うのです。そんな人が描く物語の主人公であるホームズに女心は分かるまいて。夫に失望している夫人に対して夫の元へお帰りなさいと言うのは死刑宣告したのと同じですよ、ホームズさん。

面白い人が出演しています。 「ヤング・シャーロック ピラミッドの謎」でホームズを演じていたニコラス・ロウ! ホームズが映画化された自分を映画館で見ているシーンがありまして、その映画でホームズを演じているのがニコラス・ロウ!なのです。これには笑ったー。

しかし「ゴッズ〜」を初めて見た時に感じた心揺さぶられる何かがありませんでした。とても興味深い物語だったのですが、何かが、ほんの少し足りなかった。相変わらずハリウッド映画における日本の描写が中国にしか見えないというのも残念でした・・・。期待しすぎたのも原因かなぁ。