ないまぜ日記

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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

なんで?

アカデミー会員は一体何を考えているんだ? マイケル・キートンがどうしてこれでオスカーが取れなかったのか、不思議で仕方ありません。映画でも触れられていますが、演劇業界人と映画業界人の間には実に根深くて、お互いに対する劣等感と優越感とが複雑に絡まりあったドロドロとした溝があるのでしょう。去年は誰がオスカーを獲得したのか調べたら、ホーキング博士を演じたエディ・レドメインでして、あー、そういえば、授賞式で自分の名前が呼ばれて驚いてたエディ君を見たなと思い出しました。きっと彼もキートンがオスカーを取ると確信していたのでしょうね。何しろ「バードマン」でのキートンの演技はズバ抜けているというか、人間業とは思えないというか、神懸かり的なのです。「博士と彼女のセオリー」は未見なのでエディ君の演技は知りませんが、実在の偉人を演じる事とキートンが演じたバードマンだった男、リーガン・トムソンを演じる事の難しさは次元が違う。リーガン・トムソンを演じられるのはキートン以外には一人もいないから!

録画していたこの作品、しばらくほったらかしていたのですが、さっさと見ておけば良かった。いやはや、恐れ入りました。これは紛れもなく傑作です。公開前から随分と話題になっていたので映画館へ観に行けば良かったなと今更に思いました。ところが私はマイケル・キートンがあんまり好きではないのです。本当に旨い!とはいつも思うのですが、好きじゃない。

ワンカットで撮影されたように見えるのですが、どうやって編集したんでしょうねぇ。今時のステディカムは宙にフワリと浮かんでいるような滑らかな映像が撮れるので余計にワンカットにするのが難しいような気がします。特にこの映画では浮遊感というのを大切にしているのだろうと思いました。何しろ、バードマンが本当にバードマンだから(笑)。

バットマンだったマイケル・キートンをキャスティングしたところで、この映画は半分成功していると思います。自虐的な笑いってやはり良いです。カラリと乾いているけど、ただひたすらに切なくて。キートンを好きじゃない事を反省してしまいそうになる程、素晴らしかった。

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