ないまぜ日記

映画、海外ドラマ、音楽、その他諸々、ないまぜ日記

Rosencrantz & Guildenstern are dead

この作品、昔から見たいと思っていたのですが今日の今日まで見る機会がありませんでした。日本でもDVDは発売されているようですが密林でのお値段はトンデモナイ事になっていて、まるで手が出ません。定価4,700円のDVDをプレミアム価格27,639円で売るなんて、阿漕な世の中だよ、全く・・・。英版か米版も英語字幕付きがなくてDVDを買う事もなかったのです。何しろ、トム・ストッパードの脚本を英語字幕もなしで見るのは無謀というほかぁない。

見たい見たいと思いながら既に25年経ってしまったわけですが、あっさりと今朝見ました。YouTubeで。どうして今まで検索した事がなかったのか不思議に思う程でありますが(笑)。いとも簡単にYouTubeで見られました。スペイン語字幕付きというのはありましたが、英語字幕付きはない。何を言っているのか良く分からない(笑)。でも「ハムレット」の物語を知っているので、ギリギリなんとかなりました。「ハムレット」を詳しく知っている人ならばあちこちに散りばめてあるであろう可笑しさに気がつくのでしょうが、生憎私には素養が無くその辺は全然分かりません。細かい台詞とか知りませんし。

それでも、ティム・ロスゲーリー・オールドマンが皺も無くてツルリとしたイキの良い若者で、それだけ見ても良いものを拝めたという気持ちがしました。絶妙な二人の間合いでプププーと吹き出してしまうこと請け合い。ハムレットイアン・グレンだー。若いー。若い頃から胡散くせー。なんだなんだこの怪しい存在感は(笑)。事もあろうにクローディアスはドナルド・サンプターです。この配役、素晴らしくて笑えてくる。
ローゼンクランツが矢鱈と科学知識に長けているのはなぜなのだ。唐突にハンバーガーを作ってみたり、蒸気機関を思い付いたり、アルキメデスの原理に気が付いたり、ニュートン力学の実験をしたり、あと、なんだっけ、まだあったような気がする。あ、飛行機!発明してた(笑)。

物語の設定が途中まで全然分かりませんでした。それはローゼンクランツとギルデンスターンも同じです。大体、どっちがローゼンクランツかギルデンスターンなのかローゼンクランツは良く分かってない。自分が何者か、目的は何か、何処へ行こうとしているのか、全てが不明。半分くらい見た後で、なんとなく分かってきた。幾重にも重なった多重構造になっているのだなー。トム・ストッパードの脚本はこういうのが多い。「未来世紀ブラジル」でも「恋に落ちたシェイクスピア」もそうだった。それにしても、演劇の手法としては古典的な多重構造の物語って一体誰が発明したのでしょう。天才的な閃きだ。

ローゼンクランツとギルデンスターンは「ハムレット」に登場する小さな役なわけですが、主役達が表舞台で演じている間、舞台裏で主役達を覗き見たりしています。「一方では〜」と話を中断して待っていてくれる事なんて現実には起こらないけれど、舞台ではどうとでも表現できる。それなのに表舞台で演じていなくても舞台裏でも話が進行しているというのが実に面白い。二人とも舞台の登場人物で自分が誰かを演じているとは気がついていない。自分が誰なのかも分からないからだ。どうして記憶すらないのか訳も分からず、混乱したまま進んでいきます。場面転換がとてつもなく演劇的。そして終幕、絞首刑になるところでエリック・アイドルがAlways look on the bright side of life ♪と歌い出しそうでした(笑)。これは単に、とある舞台で演じているだけで、自分が本当に死ぬわけではない、次は違う役かもしれない、そう思っていたのでしょうか。

ローゼンクランツとギルデンスターンは何も訳が分からず何かに巻き込まれて自分が意図しない方向へ、最期はどうなるのか全く分からずに進んで行く、不安なまま進まざるを得ない。

The show must go on.

なるほどーーーー。
これは人生を描いたものなんだなと、ちょっと真面目に考えてみた。
日本語字幕で見たい!