ないまぜ日記

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刑事フォイル シーズン6〜9

戦後70年という謳い文句は実に都合が良いようです。そのお陰で今年の夏は色々と見たかった映画やドラマが見られて嬉しい限り。「刑事フォイル」はそのひとつ。今年、エゲレスで放送されたばかりの最終シーズンまで一気にAXNミステリーで放送されました。慌てて放送した理由は8月30日からBSプレミアムで放送される予定だからか、と邪推してしまった。初の吹替えにちょっとまだ慣れませんが第1話の前半を見ました。みんな若いねー。13年だもんねー、そりゃ年取るわー。

英国は戦勝国であったにもかかわらず終戦後も長らく配給制度が居座り続けた国で、敗戦国だったイタリアよりも食糧事情は長期に渡って悲惨な状況にあったそうです。戦争に勝ったのにどうして貧乏なのか、という疑問は国民の意識に大きな疑問を植えつける事になったのでしょう。シーズン8や最終シーズンではその辺りの事情が深く絡んだ物語になっています。ドンパチの激しい戦争が終わったと思ったら今度は冷戦。結局、国と国が対立するのに終わりはない。昨日の敵は今日の友。敵の敵は味方。なんでもありの世の中です。

ドイツが第1次世界大戦で敗戦国になって正気とは思えないヴェルサイユ条約戦勝国側から押し付けられ借金まみれで経済がどん底になってしまった事がヒトラーの台頭を許した大きな原因だと思います。もはや条約というよりも復讐。日本の場合も日露戦争英米から借金しまくって首が回らなくなって石油を求めて戦争へとひた走ったと言えると思います。日露戦争で勝ったのに借金まみれ。この借金は私が生まれた1970年以降まだまだ払い続けていたというのが恐ろしい。一体、どんだけ利息払ったんでしょう。

戦争が始まると軍需産業が一気に盛り上がって経済が回る。お金はあくまでも中立です。武器商人は敵も味方も関係ないので買ってくれる所には見境なく売っちゃうわけです。怖いなぁ。世の中、お金で動いている。考えると気持ちがどんよりしてきます・・・。

フォイルが警察を辞職してからMI5からお声が掛かります。最近、MI5ものが多いです。MI6ではなくてMI5が登場するようになったのは「Spooks」のお陰様なのでしょうかしら。いつも思うのはスパイ活動を突き詰めていくと、必ず敵は身内にいるということ。外との戦いではなくて内との戦いにいつの間にかすり変わる。誰が裏切り者かを暴き出す事に最も力を注ぎ込む事になるのです。なんて無駄な戦いなんだろうねぇ。

ところで、フォイル警視正は運転ができないわけではなくて、しないんですね。びっくりしたー。サムを運転手として雇う理由を作り出すのが脚本を書く上で難しくなったから、こんな事になったんでしょうか(笑)。とはいえ、サムはこのシリーズに欠かせない登場人物ですからなんとかして話に絡んでくるようにしたかったんでしょう。それとは逆にミルナーはフォイルに楯突いてしまって、シリーズ終盤では登場しなくなってしまいました。

マックス・ブラウンが出演しているのを全く知りませんで、サムと何やら良い感じになるアダム・ウェインライト役でシーズン7で登場した時にとてもウキウキしたのです。それなのに、8シーズンからはダニエル・ウェイマンに交代。マックスは他の仕事で忙しくなって日程調整が出来なかったんでしょう。残念だわー。チャーミングだけど美人じゃないサムと人形みたいに完璧なアダムという組み合わせがとても好きなだけに。

このシリーズ全体通して、フォイルが全くぶれません。あくまで高潔。真面目すぎて嘘臭くならないのは本当にマイケル・キッチンの存在感でしょう。で、そういう真面目なフォイルさんにも秘めた恋があったっていうのがまた切ない。しかも、アンドリュー・スコット演じるデベローのお母さんと何やら訳ありというのがまた泣かせる設定で。まさかフォイルに隠し子か!と勘ぐりました(笑)。

とてもとても真面目なドラマです。真面目過ぎると疲れたり白けてしまう事が多いですが、不思議な事にこのドラマはまるでそんな事がない。BSプレミアムで放送が始まったので見る人が増えると良いな。