ないまぜ日記

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狙撃者

マイケル・ケインの代表作のひとつ「狙撃者(Get Carter)」が今年1月にスターチャンネル2で放送されました。8月になってからも再び放送されています。

この映画を日本語字幕で初めて見ました。マイケル・ケインはイギリスでは生きた伝説ですが「バットマン」の執事としか思ってないような人が日本には多過ぎるのかもしれません。特にこの映画のポスターは伝説の象徴みたいな感じです。それなのに、こんな傑作が日本ではまるで知名度がなくビデオですら発売されていない。なので、この映画は英語字幕でしか見たことがありませんでした。スターチャンネルを契約していて良かったと思える貴重な瞬間でございました(笑)。

オイルショックがすぐ目の前、1971年のイギリスのニューカッスル。太陽の沈まない帝国は遠い過去になって久しく、斜陽は加速するばかり。最初から最後まで、陽は射さずマイケル・ケインの金髪も鈍く光るだけ。これぞ英国。良い意味でも悪い意味でもどこまでも辛気臭い。この辛気臭さがたまらない。造船業に炭鉱に競馬場。あー、この組み合わせ(笑)。私も同じような町で育ったので矢鱈と親しみを感じるのだろうか。

1枚目の写真はイギリスの工業都市における労働者住宅街の典型的な景色です。延々と続く長屋。長屋の裏手通りには洗濯が干されるのです。トイレは屋外の離れにある。だから寝室のベッドの下にはおまるが付き物なのです。映画の中にもおまるは登場します。ジャック(マイケル・ケイン)が車で洗濯物の中を突っ切って行き、ボンネットに洗濯物が挟まって、車を降りた時に雑に洗濯物を車から引き剥がす。このシーンは「時空刑事1973 ライフ・オン・マーズ」でフィリップ・グレニスターが楽しそうにパロディしていました。

メリケン野郎どもにとって「ゴッド・ファーザー」が野郎人生の手本であるのと同じように、「狙撃者」はエゲレス野郎どもの手本なのだ。大和男子にとっての「昭和残侠伝」あたりだろうか。