ないまぜ日記

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ファーゴ

コーエン兄弟が1996年に製作した「ファーゴ」がドラマ化される話を聞いて、主演がマーティン・フリーマンだと聞いても、正直それほど見たいと思わなかったのですが、録画しておいて良かった。映画の寒々しさがそのままドラマに伝染しています。なんでしょうねー。シンシンと冷え込んできます。風邪引いてる時に見るものじゃありませんでした(笑)。

「ファーゴ」は面白い映画でした。実話だと信じていたら実話じゃなかったと知って、まんまと騙されたと悔しかった。何しろ、粉砕されるスティーブ・ブシェミがやっぱり最高で。面白いのに何度も見たい映画ではありません。コーエン兄弟の映画は好きな作品が多いですが、なぜだか不思議と何度も見たくなるような映画がないのです。だからDVDも全然持ってない。どうしてなんだろうなー。「ビッグ・リボウスキ」のブシェミが心臓麻痺で呆気なく死んで、遺灰が逆風でジェフ・ブリッジズやジョン・グッドマンに降り注いだ時、お腹を抱えて笑って可笑しくて涙が出て、その救いのなさがあまりに現実的で身につまされました。

そうなんだよねー。コーエン兄弟の映画って後でうすら寒くなるんだよなぁ。誰かに後ろめたい自分を見られてないか振り向きたくなるような不安を募らせるというか。ハビエル・バルデムが「ノー・カントリー」で演じた悪夢にうなされそうな恐ろしい殺し屋が頂点だと思います。しかし、「ファーゴ(ドラマ版)」で殺し屋を演じているビリー・ボブ・ソーントンも引けを取らない。どちらもパッツン前髪が特徴的です。

ビリー・ボブ演じる殺し屋が高機能自閉症ではないのか?と思われる言動が見られます。それが恐怖と可笑しさを同時に発生させる要因になっていて、なんだかねー。細かい事にひたすらにこだわる殺し屋って神経を逆なでしますが、怒らせると殺されるから危ない危ない。ビリー・ボブって怖いなー。

出演者が非常に豪華です。キース・キャラダインもオリバー・プラットも出演してるなんて聞いてないよ!と、思わず叫びました。で、やっぱりマーティンが上手いのです。大人になっても虐められっ子なままのレスターを演じるマーティンの目の泳ぎ方が素晴らしい。「SHERLOCK」のジョンも虐められっ子と言えなくもないですし、「銀河ヒッチハイクガイド」のアーサーもそうだ。不運な男が上手いマーティンです。

歯車がひとつ噛み合わず、そこから少しずつ悲惨な方向へ向かっていきます。息詰まる緊張感がすごい。雪原の中を真っ直ぐに走る道。アメリカの道だ。どこまでも行っても同じ景色。こんなに広いのにこんなに閉塞感を感じるのはなぜなんだろう。どこまで行っても人生がどん詰まりな感じ。奇跡が起きても物事が好転する気配が感じられない。キーンと金属音がしそうな静かで張り詰めた氷点下の空気感が伝わってきます。あー、それにしても、ブシェミが雪原に埋めたあの金をオリバー・プラットが拾ってたなんて(爆笑)。

まだあと、5話ありますが、どんな展開になるのか予想もつかない。
早く見たいけど、見るのが勿体なくなってきました。