ないまぜ日記

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(500)日のサマー

DVDを買っていた事をすっかり忘れていたので慌てて見ました。慌てる必要ないのに。

前評判の良さからとても期待していました。十分楽しみました。ただ、どこか恋愛至上主義みたいなものを感じてどうも引いてしまうところがあると言いますか。微笑ましいラストも確かに素敵なんですが、ほろ苦いまま終わっても良かったかなーと。ズーイー・デシャネルがサマーでなければ成り立たない映画です。他の女優が演じても説得力がなかったと思う。やっぱりズーイーは可愛い。女の子っぽい甘い服を着てるけど少女趣味に走らず、決して子供っぽくならず、どこか品良く見えるサマーです。「マリアの恋人」のナスターシャ・キンスキーがそうだったなー。

ジョゼフ・ゴードン=レヴィット演じる主人公トムは建築家になりたかったのに、楽な方を選んで今はグリーティングカード会社勤務。この会社の社長は人を説得させたい時に必ずカードの言葉を引用する。自分の言葉を持たない薄っぺらい人間だと表現したかったのか。落ち込んでいる時には目出度いカードの言葉なんか浮かんでこないというのが面白い。

音楽好きの男子には建築家になりたい傾向があるのだろうか。ニック・ホーンビィの「ハイ・フィデリティ」の主人公ロブもなりたい職業トップ5に建築家が入っていた。音楽好き男子の憧れなのか? 一応女子ですが私も建築設計関連の仕事がしたかった。どうも人生設計に失敗した模様(苦笑)。

エレベーターの中で気になる女の子と一緒になったら、聞いていた音楽の事で話が弾む。音楽好きにはたまらん出会いです。聞いていたのがスミスというのが良い。コールドプレイだったら、あらゲイかしら?と思われる可能性があるし、ニール・ヤングなら女子は反応しないだろう。ところでコールドプレイが好きな男性はゲイだと思われやすい理由はなんなの??? それはさておき、奇抜ではなく、ベタ過ぎもせず、スミスを選択した事で説得の力のある出会いだと思いました。いいなー、羨ましい出会いです。私も「その雄叫び、移民の歌?」と声を掛けてくれる人が欲しかったよ。ジャック・ブラックとエレベーターで知り合いたかったなー(笑)。

サマーにしたら思いがけず趣味はかぶるけど、別に特に好きなわけでもないし結婚なんて考えられない男にしつこく好かれて迷惑だった事でしょう。嫌いでもないのでイケアで新婚ごっこに付き合ってあげたり、それなりに楽しんだはずでしょうが。イケアで新婚ごっこというのは実に現実的だ。良くいます、確かに。ドバイのイケアでも若いカップルがあれこれ相談しながら買い物しているのを見かけました。そういうトムの期待に応えるような事をしたとしても、リンゴ・スターを小馬鹿にされたのは腹に据えかねたのかもしれん(笑)。

トムの期待と現実を並べる事で、その間に大きな隔たりがあるのを痛感させられる。男子の勘違いというのは実に切ない。男子の方が女子よりも期待と現実がかけ離れている事に気が付くのが遅い。女子は早く気付くから気持ちの切替が早いのかもしれない。この映画で描かれたのは男と女では決してない。あくまでも男子と女子だ。いつまでも男子から卒業出来ないトムと一足先に女子を卒業したサマー。対比が鮮やかです。

ニック・ホーンビィの言葉には含蓄がある。

どういう人間であるかより、何が好きなのかの方が大切。

こういう基準で生きているのは人間として成長していないという事だ。
だが私はこれでずーっと生きてきた。
人間として成長してなくてもかまわねー。
ガキのままで良いじゃんかよー。
心の叫び。