ないまぜ日記

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The Spy who came in from the Cold/寒い国から帰ったスパイ

リチャード・バートンなんかこわくない。
何が言いたいんだか自分でも良く分からん(笑)。

中学生の頃、ハヤカワミステリー文庫ばかり読んでいたのに、ジョン・ル・カレは読んだ事がない。どうして読まなかったのか。残念で仕方ない。きっと痺れるほど好きになったに違いないだろうに。若い時だったら救いの無い物語でもドーンと落ち込まずに魅了されるだけだったろうになぁ。しかしル・カレの原作を読んだ事がないのは幸いでした。どんでん返しを知っていたとしても面白かったんでしょうが、これは知らない方が全然良いに決まっている。

面白かったけど、映画を見たらラストシーンで落ち込んだ。
これはもう偏に「Spooks」の最終回のせいだ・・・。
いつまで引きずるのか分からない。こりゃー一生引きずっちゃう気がするなぁ(苦笑)。

リチャード・バートンは私が見た映画の中ではいつも熱演で、そのまとわりつくような暑苦しい感じがどうも苦手でした。でも「The Spy who came in from the Cold」のバートンには驚きました。こういう静かな演技をするんだ。静かと言ってもかなり押しが強いんですけど(笑)。この映画は40歳の時だというのにまたびっくりです。老けて見えるというか、貫禄があるっていうか。何しろ重厚です。重苦しい。フィリップ・グレニスターはバートンを尊敬する俳優だと言ってたと思いますが、この映画を見てからバートンに対する認識が一気に変わりました。フィリップがバートンを尊敬するのも納得です。目力の強さならフィリップはバートンに負けてません(笑)。

白黒映画を久しぶりに見たような気がします。やっぱり私は白黒映画が好きだ。白黒の方が色彩を鮮やかに連想させる瞬間があるのはどうしてなんだろうか。映像が素晴らしいので誰かと思ったら撮影監督はオズワルド・モリスでした。おおお!「探偵スルース」に「エクウス」の撮影監督です。素晴らしいのが当然でした。

入り組んだ構成で、登場人物の名前が「あれ? この人誰だっけ???」となったり、さりげない会話の中に色々な思惑や感情が盛り込まれているので非常に難しかったです。なんちゃって英語なのに、これを英語字幕で見るのは辛い。何度も巻き戻して単語を辞書で引き引き、台詞を追っていくので精一杯でした。タイトル「The Spy who came in from the Cold」も二重三重の意味が含まれている気がするし。「The Cold」は東ドイツソ連を意味しているんでしょうが、冷戦という意味にも取れるでしょう。そして「The Spy」が誰の事を指しているのか。バートン演じるリーマスであれば「東側から西側へ帰って来たスパイ」という意味に取れるし、ムントやフィールダーの事なら「東側にいる役に立つスパイ」とも考えられるし。ル・カレはこういうダブル・ミーニングがお好みのようです。というかイギリス人が好きと言った方が良いか。そしてここにもジョージ・スマイリーが登場します。ル・カレのお気に入りキャラ、スマイリーです。

後半のどんでん返しで「うっほー。やられたー。」と騙されたことに嬉しくなり、ラストシーンでドキューン。
こっちまで射殺された気になったし・・・。
落ち込むなぁ。

ところで、バートンがビル・マーレイに見えるんですけど(笑)。