ないまぜ日記

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マリリン 7日間の恋

ドバイから成田への機内で見ました。10時間前後も飛行機に乗るのにもかかわらず、いつも映画を1本見るのがやっとです(苦笑)。何しろずっと寝てる・・・。

マリリン・モンロー役のミシェル・ウィリアムズがマリリンに見えなかったらこの映画は失敗だと思っていました。マリリンですよ、マリリン。しかしその心配は杞憂に終わりました。紛れもなくマリリンでしたよ。

あれほど男好きのする女に生まれたら本当に人生が大変でしょう。ハリウッドでは男に食い物にされ、アーサー・ミラーと結婚しても自信の無さを助長させるだけで精神的な安らぎを得られなかったとは、なんて可哀想なんだろう。離婚した後もマリリンを愛し続けていたジョー・ディマジオとの関係がうまくいけば良かったのに。あんまり男好きする女は本当に哀しい。もっとマリリンがしたたかで、自分に自信があったらどうなっていただろうか。でもあの自信の無さが魅力になっていたんだと思う。陳腐な言葉だけれど、守ってやりたくなる女性だったと思うのだ。マリリンが女優をやめてコリンと結婚していたらどうなっただろう。でもマリリンは決してハリウッド・スターの地位を捨てたくなかった。そこに不幸せがある。彼女は人から愛されたいという強い欲求を持っていたから。会った事のない人にまで、とにかく誰にでも愛されたいと思う人は決して満足することはない。

役を勝ち取る為には枕営業が日常だったハリウッドです。ほんの子供のジュディー・ガーランドも例外じゃなかったハリウッドにあってマリリンが逃れられるはずもなく、いつも年上の権力のある男たちの中で必死に泳いでいたマリリンです。権限のある年上の男の中だけにいたら迷子の子犬のような目をした世間知らずな年下の男の子が現れたら心惹かれるのも納得です。背伸びしなくてもすむ男はとても居心地が良い。

余りにも繊細なガラスの神経を持っていたマリリンは自信満々のローレンス・オリヴィエに怯え、自分が母親と同じように精神的に崩壊していく恐怖に怯え、頭が空っぽの演技の出来ないお色気女優の評価に怯え、名声を欲しいままの高名な夫アーサー・ミラーを尊敬しながらも嫉妬し怯え、これ以上何に怯えたらいいのか分からないほどの状況です。このあたりの様子はミシェルが儚げで消え入りそうなマリリンの声を巧く出してましたね。マリリンのような肉感的なボリュームはありませんが、色気よりも本当はもっと無邪気でお茶目な女性だったと思うマリリンを演じて実に巧いです。なんと魅惑的な笑顔でしょう。彼女の出演作は殆ど見たことがなかったので、今回のマリリン役でちゃんと名前を覚えました。

それにしてもエディ・レドメイン君。なんでそんなに捨てられた子犬の目をしてるんだ。可愛いなぁ(笑)。あの見た目で30歳超えてますから詐欺ですね。ドバイへ戻ってきたら空港の巨大モニターでバーバリーの広告にエディ君がおわしました(笑)。さすがに良いとこの坊ちゃんで、実際に子供の頃からバーバリーを愛用していたのでありましょう。

実はわたし、ケネス・ブラナーを良い役者だなと思ったことがありません。いえ、そりゃね、オリヴィエの再来と言われて久しい人です。なんでも卒なくこなしますし、巧いです。でも好きかと聞かれると首を縦には振れない(笑)。オリヴィエを目指して突き進んできたブラナーがオリヴィエを演じるという出来過ぎた役で初めて、ブラナーって良い役者なんだなぁ、と思いました。ところで、ヴィヴィアン・リージュリア・オーモンドが演じたのはなんでなの? 年食って美貌が衰えたという台詞を強調させたいからジュリアなんですか? でもヴィヴィアンは死ぬまで別嬪だったじゃーん。どうしてジュリアなの??? あー、残念。もっと美人にやって欲しかった。

ヴィヴィアンはマリリンの気持ちを誰よりも理解できたと思います。高名な夫を持ち、良い役者になりたいという強い上昇志向を持っていながら、自分に自信が持てずに不安定な精神状態を薬で紛らわす。まるで合わせ鏡です。もしオリヴィエがマリリンと自分の妻がそっくりだと、二人とも哀しい女だと気が付いていたら、もっと巧く立ち回れていたに違いない。でも気が付かなかったからオリヴィエの心はヴィヴィアンから離れて行ったんでしょうねぇ。

映画を見ながら実在した登場人物のことを色々考えて描かれていない部分も想像できるような映画でした。素直に面白かった。英国俳優総出演で見ていて楽しいです。トビー・ジョーンズはほんとに勤勉だなぁ。そういえば、ミランダ・レイズンが秘書役で出演してました。ジョー、お久しぶり〜。元気そうでなにより。